修羅場に追いかけられたというのは、ちょうど十年前の夏のことです。
友人が、実家から缶ビールを一箱もらってきたため、急遽、酒盛りが下宿先で企画されました。
私と別の友人が、つまみの材料を調達するため、閉店間際になると投げ売り状態になる近所のスーパーへと買い出しに出向いたのです。
てくてく歩いていたら、蜂の羽音のような音が聞こえてきました。
それが女性の金切り声だと判ったのは、以下の言葉が轟いたからです。
「誰の子供、堕ろしたと思ってんのよぉぉぉぉぉ!」
そして、下宿へ帰る途中、背後から足音が聞こえ、何事と振り返った我々の目に入ってきたのは、
1、ひきつった顔で早足で歩いてくる、我々と同じ年頃の男。
2、髪を振り乱して、その男の後ろから歩いてくる女。
3、彼女の手に握られていた「包丁」。
でした。
我々は逃げました。早足で。でも後ろからの足音がついて来るのです。男女二人とも無言で。ずっと。
おそらく五分前後、この追いかけっこが続いたと思います。足音が急に途絶えたので振り返ってみると、
男が道路に土下座していて、女がそれを見下ろしていました。
近所の人が通報したのか、パトカーが来たので、我々は下宿に帰り、事の顛末を皆に話して酒盛りを開始しました。
夏が来るたびに、あの土下座を思い出します。長文すみませんでした。
誰か一人でも走り出してたら大変な事件になってたかも。
四人の全力疾走で最後尾は包丁女。
想像するだけで怖いよ。
巻き込まれなくてよかったよかった(;´Д`)
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