17: 1/3 2014/09/12(金)19:33:29 ID:E2AexgnVG
今日の朝あったはなし。

祖父は車椅子だが庭の花や植木を見たいと、朝方から外に出ていた。
恐らくは、近くの川に散歩しに向かう”犬を見る”と言うのが目的だったと思う。

そんな中で二匹の犬を連れた、30歳前半ぐらいだろうジャージ姿の奥様がやってきた。







祖父の好きなキャ/バリアだっただけに、祖父は直に手を伸ばし犬を呼んだ。
犬は喜んだような顔で祖父の元へ、もう一匹は奥様の後ろへ隠れた。

オレ「すみませんねー」
奥様「いえいえ、老人に犬を見せるのが、動物を飼っている飼い主の役目ですからー^^」
オレ「ちょ、ちょっと……」
奥様「大丈夫ですよー、老人には聞こえませんって^^」

オレはここら辺で不愉快と言うか、なんか単純に「嫌な奴」と言う印象を抱いた。

祖父はそれが聞こえてるのか分からないが、近寄ってきた犬を撫でてご満悦な様子。
犬の方も祖父に身体をまかせるなど、かなり人懐こい犬だった。

奥様「まー、この犬がそんなに人に懐くだなんてー」
まるでローラのように口に手を当てて「( ゚д゚ )マー」と白々しいリアクションを見せる奥様。
流石に祖父も「え?」って感じで奥様を見た。

奥様「この子は元々引き取った犬なんですよ。それも”動物虐待”していた飼い主から。
 群馬にもの凄く悪いブリーダーがいてですね、
 20匹ぐらいの死体の山の中から生きていたのは、5匹。その中の二匹なんですよー

 あっ、だからこの子(隠れたキャ/バリア)、こうやって怯えてしまってるんですよね……。
 今はそうやって、その子も元気にしているけど我が家に来た時は……そりゃね……。
 怖がって小屋から全く出て来なくて、大変でしたよー……

 でも、そうやって人に懐いている姿を見ると、ああーよかった。って思えます」

そう言う話をしている中、四六時中ニッコニコ、ニコニコ、と。

祖父「そうなのですかー」
そっけなく返事を返し、犬へ「よしよしよし^^」と撫でる。

18: 2/3 2014/09/12(金)19:33:49 ID:E2AexgnVG
それを見て奥様一瞬硬直し「( ゚д゚ )」となってた。
あきらかに悔しいと言った表情だった。

「**老人ホームで毎週*時からー」と言い「毎日車で行かなくてはならなく大変ですよw」
「私も**会に所属していてー」と、笑顔で肩の腕章を見せ、何故か名刺を渡して。
あと有名な愛護団体の会長とのツーショット見せたりしてかなり必死。

祖父「あんたは偉い人だねー」
と返事をするだけで、奥様の顔も見やしない。

奥様は一瞬顔をしかめたと思うと、スマホを取りだし、
今の二匹が『救出された当初の写真(グ/ロイ)』を見せ始める。現場写真も見せる。
それで「この子たちはー!」と熱弁。

奥様「アナタ、この犬は虐待されていたとか聞いて、何も感じないのですか?」
一通り話終えた所で、奥様はギリリと笑いながら祖父へ尋ねた。

祖父「そりゃ、可哀想だ、辛かっただろうに、色々考えさせられるなー」
奥様が「フッ」とやり切った表情になる。

祖父「……ところで、アンタはこの犬たちを、ブ/ランドバックか何かと思っているのか?」
奥様「え、えっ?」

祖父「そうするしか注目浴びれないのか?
 ”虐待されていましたー!”って言うブ/ランド名が欲しかっただけなのか?
 ”動物助けています!” と言う肩書きが欲しかったのか?
 この子らは別として、お前にはそう言う感情しか抱けない。

 本当に普通の善良な人間なら、”虐待”と言うトラウマを犬から拭う方が大切じゃないか?

 犬が完全に人に懐いて、そこで人知れず”あー、良かった”。
 そうして笑える方がワシは好きだ」

奥様「( ゚д゚ )……」
こんな感じで硬直したかと思うと、三十秒ぐらいしてから顔をカーッと赤くして、
子供の様に泣き出して大変だった。

幸い名刺に書かれていた家電に電話をかけ、息子さんに迎えに来てもらったが何度も謝ってた。

ただ、去り際。
祖父「ワシなんかより、犬の方がよっぽど耳いいぞー。
 お前の小言なんか全部聞き取ってるかもしれないぞー」と悪戯に笑いながら言った。

19: 3/3 2014/09/12(金)19:34:09 ID:E2AexgnVG
蛇足の完結。


元々祖父は、近所でもかなり有名な犬のブリーダーだったらしく、
犬が大大大好きすぎるし、団体に所属しないで悪徳ブリーダーを懲らしめてた(仲間と)様な人。
故に、愛護団体にも顔見知りの人がいるらしく、名刺に書いてあった会にも知り合いが居た、

名刺から会へ電話し、その人への連絡先を確認。
その後、ことの事情を全て説明。

電話口から聞こえてくる相手は「すみません」と、何度も謝ってる声。

ただ、最期に。

祖父「ほんじゃ、虐待されていた犬で、あの野郎(奥様)が一緒に助けたのは本当なんだな?
 ってことは、虐待されていた犬をあそこまで元気にしたのは本物だな。
 毛の手入れも、元気な方の犬の表情も、体格も、全部よかったからな!
 ”その気持ちを忘れないように”と、伝えておいてくれ!」

祖父曰く、犬好きに”根から悪い奴”は居ないらしい。

ちなみに、その奥様は最近ここらを散歩ルートに居れた人らしく、
近所の犬を飼っている家から『虐待自慢』するから、煙たがられてたそうな。

ただ祖父は「もう一度、この道通らねーかなー、犬可愛かったなー」
と、きつく言い過ぎたのを後悔しているようです。

20: 名無しさん@おーぷん 2014/09/12(金)23:31:19 ID:uVX5qR2mn
>>17-19
じっちゃんきつく言いすぎてないよ!

しかしこういう話を聞くと、ナントカ愛護団体とやらに傾倒してる人とは
やっぱあんま関わりたくないなと思ってしまったわ

21: 名無しさん@おーぷん 2014/09/12(金)23:43:10 ID:4fM6vOTmJ
>>19
>ただ、最期に。

じいちゃん死んどる

22: 名無しさん@おーぷん 2014/09/13(土)16:58:34 ID:zMedy4E0N
>>17-19
報告者とじじいがキモ過ぎ
虐待されてる犬助けた人に何でそんな悪意向けれるのか不思議だわ